虹ノ松原 (唐津)

(2009年十一月唐津鏡山より撮影

遥か下虹ノ松原冬霞 (唐津鏡山)
下界なる虹ノ松原冬霞(唐津鏡山)

唐津湾沿いに、虹の弧のように連なる松原。唐津藩初代藩主、寺沢志摩守広高が、防風・防潮林として植林したのが始まりで、全長5km、幅1kmにわたって続く松は、約100万本と言われています。今では、三保の松原、気比の松原とともに日本三大松原の一つに数えられ、国の特別 名勝に指定されています。NHK「21世紀に残したい日本の風景(BS2)」の投票で、第5位 に選ばれました!(唐津観光協会)

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世界の俳句

有季‧無季 定型.自由律 花鳥諷詠‧人情世故  時事‧社会 客観写生‧主観感動

 みんな みんなの母語でよむ俳句

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齢七十五にてつと去りし日を振り返りみて我自身を知る…
波の間に間に 流されるまま 人を羨むことなく 求めることなく
世間と争わず なれど 荒波に遭うを 免れ能わず
思いもよらない 公務員年金を亨く 多からずとも又 少なからず

命を保つに 憂うこと無し
キーボードを たたいて インターネットに遊ぶ

得るところ有れば 又与える事もあり
名利共に 余生の外にあり
(オーボー真悟)
#お知らせ!!
e-book (オーボー真悟の短詩集)を刊行しました、ご興味のある方は下記のアドレスhttp://www.olddoc.net/oobooshingo-poem.pdf をプレスして下さい、無料でダウンロード出来ます。                    
 (オーボー真悟)
The Global HAIKU Net: https://olddoc.net/global-haiku/index-H.html

2018年7月28日土曜日

エッセイ-018--日本俳句の漢語翻訳



日本俳句の漢語翻訳


2018年7月3日火曜日

エッセイ-16-(2018-7-1)-<俳句と伝統俳句とポピュリズム>

                                                                 北海道(1998)

<俳句と伝統俳句とポピュリズム>                  Chiau-Shin NGO (呉昭新)

   黄霊芝師が亡くなってからはや三年、フエイスブックでは旧作を毎年その日になれば親切にまた持ち出してくれるようになっているので今年もまた自分の当時の思いの旧作を読み返して、しみじみ人情の薄いのに哀れを感じた。黄霊芝師のお弟子さんたちは師の生涯の最後の遺言ともいえる一番大事な一文に(読んだかどうかは知る由もないが)何の反応もないのだ。師が自身の一生の念願である俳句の真髄を求める心をひた隠しに隠して、ただ市井のありふれた俳句結社の主宰として弟子たちのために尽くしたことにほんの少しの感謝の気持ちも感じないのだ。今でもただ自分たちの都合のために結社を続けているだけなのだ。師の究極の念願を全うしようとはせず、ありふれた市井の俳句結社の主宰で済まさせようとしている。かって自分が言うたように日本返りの台湾人の日本語の復習場と在台日本人の友好クラブにして仕舞おうとしている。戦後台湾唯一の日本語俳句結社も日本本国の月並みの俳句結社に過ぎないのだ、残念至極。
    よく考えてみると、問題の起こりは日本の俳人たちが<俳句>(HAIKU)の定義をはっきりさせないからだ。日本国内なら有耶無耶ではぐらかしても構わないが、外国に顔を出す以上そうはゆかない。多くの俳人が所謂の<伝統俳句>が俳句の一部であり全部ではないことをよく知ってはいるが、ポピュリズムの関係で、大らかに言い切れないと言う嘆きか。所謂の伝統俳句が果たして伝統であるかどうかは別として、確かに所謂の伝統俳句は子規の二大弟子のひとり虚子の創案になる日本特有の日本人ならではの俳句の一派であり、多くの日本人に愛される俳句である。だがまた日本人のポピュリズムによる俳句の一つの形でもあるのだ、それは俳句唯一の形ではなく俳句の一部であるのが真実なのだ。それを取り間違えてそれのみが俳句だと思っている方が日本全国いや全世界に自分の考えを推し進めているのだ。日本のポピュリズムが俳句をして難しい立場においてしまったのだ。あまり日本の歴史風俗習慣を了解していない外国人が戸惑うのも無理はない。それをまた一部の真の俳句の本質真髄を知らない日本人が、したり顔で説明や教えるので益々こんがらがってしまう、で真に俳句を知る俳人はポピュリズムにたじたじと押されて、又はある方は結社主宰の生業に影響するのを気遣って、口を閉ざして目をそらしていると聞く。よく考えてみると確かに俳句を指導することによって生活を贖っている方もいるのは事実だ、また見栄や教養のため俳句を詠んでいえる方も多いいのも事実。
   だが黄霊芝師は違う、彼は台湾の台南でも一二を争う大資産家の末っ子で、戦後本国に送還される日本人から一荷車満載の書籍を買い取ったという逸話もある位の資産家である故、生活のために市井の俳句主宰を務めたわけではない。彼は病身であるがため学生時代一番上の姉の世話になっっていた、彼はその姉の俳句グループの世話をしたのである、そしてそれは市井の芸事俳句グループだったのだ、彼はその天才の資をもって市井の月並みの芸事俳句結社の主宰を務めたのである。
   彼はその遺言に等しい一文の冒頭で<これらの作からもわかるように私は必ずしも五七五の定型に臣服していませんし、季語の虜になってもおりません。>そして最後に<もう一言加えたい。五七五は定義ではない。そして同じ文芸界に属する小説の世界では定型に縛られることなく、むしろ一作一作風をこそ手柄とするのではあるまいか。>と締めくくっています。彼は所謂の伝統俳句に拘っていなかった、もっと広い意味の俳句に心酔していたのだ。
   小生はこの結社で<伝統俳句>を止めなさいと言うのではない、<伝統俳句>は伝統俳句として継続し、虚子の三縛りを思い切り駆使し日本特有の俳句型を思い存分詠まれるのを祈念すると共に、伝統俳句以外の形の俳句の吟詠も師匠の念願と思いを重んじてもらいたいだけなのだ。
ですが、伝統俳句の三縛りや<季重なり>、<無季>、<破調>、等々についても伝統俳句のバイブル:子規の<俳句大要>、<俳人蕪村>及び虚子の<俳句読本>、<俳句の詠みよう>、<俳句の作り方>と<俳句の道>を二回以上読んでください、一般にがみがみ言われるほど大切なことではありません、これらのバイブルは一回目はざっと目を通すだけで結構ですが、二回目以後は必ず精読してください。そして俳句に良し悪しはなく鑑賞は人に依りけり、子規はより蕪村を重んじ芭蕉は軽んじられていますが、虚子は芭蕉をより重んじているのを知る必要もあります。また桑原武夫教授の俳句第二芸術論のようにプロとアマチュア俳人の作品の見分けは難しいという事は何を意味しいるのでしょうか、そして今泉恂之介の<子規は何を葬ったのかー空白の俳句史百年>のいうように子規は一茶以降百年の俳句を抜かしている、すべては子規の短命に帰せざるを得ません。若し子規が80から90歳まで生きていれば今の俳句事情は現今の如くではない筈。
日本に源流を発し今世界のブームになりつつある俳句は日本人そして日本文化のの誇りです。所謂の伝統俳句は虚子の発見した日本人特有の文化であり、また俳句の形の一つでありますが全部ではありません、そして俳句そのもののオリジナルは日本文化にありもっともっと深く広いものです、皆さん日本の誇りを大切にしましょう。
みんなご存知の小林一茶をはじめ、河東碧梧桐、荻原井泉水、種田山頭火、尾崎放哉、中塚一碧楼、石田波郷、吉岡禅寺洞、加藤楸邨、日野草城、嶋田青峰、東京三、山口誓子、鈴木六林男、金子兜太、芝不器男、高柳重信、秋元不二夫、井上井月ら非伝統派の俳人、また長谷川櫂、夏石番矢、今泉恂之介、木村聡雄、橋本直、五島高資、高山れおな、摂津幸彦、四ツ谷龍、筑紫磐井、大森りえや大学で俳句専攻の大森健司ら若い俳句詠み手もみな俳人でしょう、ことさら人間探究派や難解俳句などの俳人も。それなら俳句を詠みながら俳句の本質や真髄などに思いをよせ寺田寅彦、折口信夫、正岡子規、高浜虚子、大須賀乙字、金子兜太、長谷川櫂、夏石番矢、今泉恂之介、彌栄浩樹、 川名大、外山一機、橋本直らの詩論、俳論をも何回か読み直し、又ネット上の俳句評論コラムの若い世代の方々の考えにも目を通しましよう、また現代俳句協会が編集した<日英対訳21世紀俳句の時空>は子規以後 ~ 2000年までの俳句の変遷と流れを簡単にまとめています、一読に値します。よく日本で俳句のうわべしか知らない方が他人、特に外国人の作品を評して何を詠んでいるかわからないとうそぶいていますが、果たして彼らはこの一書に載っている俳句の半分でも了解できるでしょうか、不審に思っています。そしてその方たちがよく日本人を代表しているかのように他人の俳句を評価している実情は何を日本にもたらすのでしょうか、以上簡単に述べた感想をかみしめていただければ自然に一般俳句会、結社の営為にも思慮が及ぶ筈です。(2018-7-1夜 脱稿)
1)季語とキーワード:http://oobooshingo.blogspot.com/2018/02/15.html


 
2)“俳句”の二つの顔:http://oobooshingo.blogspot.com/2018/01/14.html


 
3)黄霊芝師逝く:http://oobooshingo.blogspot.com/2016/04/blog-post.html


 
4)黄霊芝主宰の俳句観:http://oobooshingo.blogspot.com/2016/01/009.html