俳句（Haiku)-188

伝統に怯えぬ子牛初日の出 

静けさや補聴器なくてピースかな

可愛さや軍備なくして平和だと

蛍追う子供の髪に蛍の灯

燕の子口をあんぐり一列に

  ＜当不当、人間性を越えて＞

原爆や人の脳みそおぞましき

事なかれ昭和三色ゆったりと

散ゆきぬ燃え立つ炎灰となり

料峭や蛙の音止み侘しかな

（オーボー真悟；呉昭新；瞈望)（2016-05-24）

                                            　　　　　　　　(1994-奥日光）

俳句（Haiku)-187

時惜しむ鬼門関から戻り来て

政治とは欺瞞権力だが必要

ひとり鍋おでんと話す君のこと

しずかなる森の細道一人ゆく　

朧げに見える火と影きた道は

孤児や春遠からじ夢の中

田植機や早乙女侍らし田んぼ春

                       （オーボー真悟；呉昭新；瞈望)（2016-05-24）

              　　(1994: 奥入瀬）

俳句 (Haiku)-186

国失くし悪夢始まる終戦日

人間の 果てしなき欲滅ぶ地球

日が暮れる長き一日老いたれば

可愛さや軍備なくして平和だと

飲み終えて千鳥足行く月朧

つばくらめ今年も帰って来てくれた

　　　　　　　（オーボー真悟；呉昭新；瞈望)（2016-05-24）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（1990－シドニー）

俳句（Haiku)-185

ハビアンや悟り開いて春の闇

田植機や早乙女侍らし田んぼ春

先人の足音がする梅のころ

雨だれやしとしとと泣く胸の内

朧げに見える火と影我が一生

師の逝きて草山空の朧月

しとしとと春雨に逝く霊芝師や

                                       （オーボー真悟；呉昭新；瞈望)（2016-05-24）

       

（1990－シドニー）

俳句(Haiku)-184

峰に雪車の蛇列山の道

碇なくアジアの孤児は漂うよ

孤児（みなしご）やなされるがまま強権に

先人の足音がする梅のころ

孤児や春の兆しも虚ろかな

孤児や春遠からじ夢の中

     （オーボー真悟；呉昭新；瞈望)（2016-05-24）

　　　　　　　　　　　　　　　　　（1990－シドニー）

俳句(Haiku)-183

つくつく法師筑紫恋しと鳴き止まず

迫り来る入道雲の黒き顔

七夕やくの一なるも人の子よ

静けさや補聴器なくてピースかな

（オーボー真悟；呉昭新；瞈望)（2016-05-24）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（1990－シドニー）